
僕が彼女を殺した理由
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僕はその日、彼女を殺した。
彼女は、僕にとって他の何よりも美しかった。
僕たちは、幾度となく愛を語らい、体を重ね、二人の存在を確かめ合った。
そして、僕達はどちらからともなく告白し、結婚の約束もした。
そして、僕たちは未来について、語り合ったんだ。
彼女は言った。
私はあなたが好き。
あなたの全てが好き。
それは、未来永劫変わることのない気持ちだから、例え私達が年老いた何十年後の未来も二人で手を取り合って歩いてゆける。
僕は答えたんだ。
僕だってそうさ。
僕は君の全てが好き。
だけど、僕はその時、その日、その瞬間……。
気づいてしまったんだ。
ボクノアイスルカノジョガオイル?
意味がわからなかった。
僕の大切な美しい彼女も、いずれ時の残酷さの前に老いてしまう。
考えられなかった、あり得なかった、許せなかった。
僕にとって、究極とも言えるその美が老いなどと言うものに奪われてしまうのかと……。
そして、自分を恥じた。
彼女の全てを愛していると口ではそう言っておきながら、僕は結局、彼女の外見の美しさしか見ていなかったのか?
しかし、僕はそれを自分で否定した。
いや、そうじゃない。
そんなはずはない。
確かに僕は、彼女の全てを愛しているんだ。
ただ、それ故に――――。
たったひとつの欠落も許せないんだ。
僕は、その日から探した、探し続けた。
彼女の永遠を。
国中の図書館は周り尽くしたし、不慣れなインターネットも使って調べた。
だけど、それでも見つからなかった。
彼女の美を永遠とする手段はどこにも載ってはいなかったんだ。
不死の呪宝、不老の薬……。
そんな単語はいくつも僕の目に飛び込んできたが、そのどれもが陳腐で、作り物のまやかしでしかなかったのだ。
だけど……。
僕はある日、それを見つけた。
そこに辿り着いた。
“死こそ永遠”。
僕は走った。
彼女の元に走った、今までこんなに必死に走ったことがなかったのでは? と言うくらい一生懸命走った。
そして、僕は彼女に告げた。
二人で死のう! 永遠を形にしよう!
僕はこの結論に絶対の自信を持っていたし、これが僕たちにとっての究極の愛の形であるということは疑う余地すら見いだせなかった。
彼女もそれを分かってくれると、そう思っていたし、彼女が拒否するなんて結末をその時の僕は微塵も考えていなかったんだ。
でも――――。
その言葉を聞いた瞬間、彼女の顔がひどく醜く歪んで僕を蔑んだように見えた。
そして、僕達の永遠はこんな形で終わりを告げた。
あんな醜い彼女は僕の愛する彼女ではありえなかった。
僕は、自分の中の彼女をその日、殺した。

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| ページ名: | オリジナル小説/一般/僕が彼女を殺した理由 [ 送信した通知Ping(0) ] | |
| ページ作成: | Tear | - 2006/04/05 17:28:18 JST(959d) |
| 最終更新: | ゲスト | - 2008/07/08 23:27:16 JST(134d) |
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