
応募作品:花想い〜熱〜
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応募情報
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題名:花想い〜熱〜
掲載日:2005-02-25 (金) 01:46:52
著者:Shiori

「花想い〜熱〜」
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蒸気が顔めがけて吹き上がった。
「ん〜……、こんなもんか」
首にかけていたタオルで顔をふいていると、調子はずれな程に明るいメロディが部屋中に響きはじめた。
「うあっと、電話電話」
いそいで携帯電話を床から拾い上げると、受話ボタンを押す。
「おはよ、どうしたの?」
しゃべりながら、コンセントに手を伸ばしかけ、ふと手が止まる。
「……ん? 熱? 大丈夫?」
いったん止めた手が、再びコンセントを握りなおして引っこ抜いた。
「あ〜、セキもひどいね。ムリしない方がいいよ」
抜いたコードを手の中でもてあそぶ。
「……うん、うんうん、分かった。俺のことは気にしないで。あったかくして寝てた方がいいよ」
そのまま、軽くひっぱると、コードは手の中をしゅるしゅると音を立てて流れ出した。
「うん、それじゃ。お大事に」
電話を切ると同時にため息がもれた。
「……どうすんだよ、コレ」
目の前には、アイロンをかけられた真っ白なシャツがあった。
「この、アヤメみたいな花、キレイですね」
店先で立っていた青年に声をかけられ、彼女は作業の手を止めてふりむいた。
「アヤメと同じ種類なんですよ。ジャーマンアイリスって言います」
日曜の駅前の商店街、スーツを着込んだ青年は周囲から少し浮いて見えた。白いシャツが目にまぶしい。
「アヤメよりも、何かふわふわしてますよね。カラフルだし」
大輪の花をしげしげと見つめる様子に、微笑みがもれる。
「はい、いろんな色がありますよ。種類も豊富ですしね」
「種類……。アイリスの種類なんですよね、ジャーマンアイリスが」
青年は不思議そうに首をかしげる。
「ジャーマンアイリスはアイリスの一種ですけど、さらにいろんなジャーマンアイリスがあるんですよ」
「難しいんですねぇ……」
そう言って唸る青年は、どことなく落ち着かない。何かを待っているかのような、手持ち無沙汰な様子だった。
「先ほど言われてた、アヤメやカキツバタもアイリスの一種ですしね。イメージがかなり違ってきますけど」
「そうですよね、こっちはすごく華やかだし」
大きくうなずく青年に微笑むと、彼女は仕事を再開しながら、さらに言葉をつなげる。
「華やかと言えば花言葉もそうですね。アイリス全体だと、『恋のメッセージ』とか、『希望と光と力』とかになるんですけど。ジャーマンアイリスだと、『燃える思い』、『情熱』と、なんだか激しさを増す感じです」
「へぇ〜、そんな花言葉なんですか、これ」
青年がつぶやいた瞬間、調子はずれな程に明るいメロディが周囲に響いた。
「あっ!」
青年が自分のポケットに手をつっこんだ。
「や、やぁ。メール、見た?」
受け答えの声が、なんだかうわずっているように聞こえた。
「そう。もう、近くまで来てるんだよ、実は」
落ちつかなげに足踏みをする様子に、彼女は笑いをこらえる。
「うん、今から行くから。……え? やだな、見舞いだよ、見舞い。風邪の!」
「……風邪のお見舞い、ですか」
彼女の目の前に置かれたレシートは、青年が置いていったものだった。そして彼女は、そこに並ぶ4つのゼロを眺めて、やわらかく微笑んだ。
☆ジャーマンアイリス−German iris−
種 類 − アヤメ科アイリス属
原産地 − 地中海
花 色 − 紫・橙・黄・白・桃・赤・青・青紫・茶・黒
花 期 − 春〜夏
花言葉 − 燃える思い、情熱
☆アイリス−Iris−
花言葉 − 使命、恋のメッセージ、希望と光と力

評価
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一言感想
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- 結末の0000が逆に即物的に感じて、雰囲気がちょっと……。あとわかりにくい部分も。 -- Guym 2005-02-25 (金) 20:57:43
| ページ名: | オリジナル小説/風邪を引いた日曜日/花想い〜熱〜 [ 送信した通知Ping(0) ] | |
| ページ作成: | ゲスト | - 2005/02/25 20:57:43 JST(1413d) |
| 最終更新: | ゲスト | - 2005/02/25 20:57:43 JST(1413d) |
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